第一章

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 何?どっか痛いの? それとも熱?」 「ううん。オウカがうれじぐで。」  嬉し涙は我慢しない。するなって母さんも言ってたし。  だけど頭がハッキリして来た今はちょっと恥ずかしい。いやかなり。  だから急いでパジャマの袖で目を拭う。そんな最中にも、ベッドの上で  胡座をかくオレの上にはオウカが乗って来るもんだから。 「うっへっへっへ。」 「……ほんと大丈夫?」  心配した様子で母さんは手の平を自分とオレの頭に着けては一唸りしている。  風邪を疑ってるのかオレの頭の中を疑ってるのかは分からないけど、  母さんをこれ以上心配させる訳にはいかない。  オレは“ギュッ”と一度目を瞑っては開き。 「起きた! おはよう母さん!」 「はいおはようさん。」  オレがそう言うと母さんは少しだけ笑って。片手を手を  腰へ引いては曲げていた腰を伸ばす。母さんが身を引いた後、  オレは両手を使って思いっきり伸びをして。力を抜く。  よっしこれで完璧に起きた。オレは乗っているオウカを  ベッド上に退かし。ベッドから降りる。と、母さんの足元に  何か小さな紙袋が置いてあるのに気が付いた。オレが紙袋に  気がつくと母さんは屈んではそれを片手で拾い上げ。     
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