第一章

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「昨日明進人を叱ったり、札で火扇呼び戻したりで  渡すのをすっかり忘れちゃってたわ。」 「なにそれ?」 「入学祝い、まだだったでしょ?」  にーっと笑う母さん。そんな母さんの笑顔はオレの好奇を  心滅茶苦茶に刺激した。逸る気持ちも抑えず思いのままに  渡された紙袋の中身を確認。中には長方形の箱と何かのチラシ。  チラシはどうでもいいや。オレは箱を紙袋から取り出す。取り出した箱には 『札型・鏡面モデル/三式』の文字。ふふふふ札型だこれ!  興奮しながら箱を開けると。見た目だけはスマホとそっくりな長方形の機械。  表はタッチパネルで裏には『鏡面/三式』の文字。オレは  意味もなく表と裏を数回確認した後。本体電源スイッチを押す。  真っ暗な画面に『ミラー』とメーカー名が浮かんで暫く。  よく見るタイプのホーム画面が映し出された。こっから先の操作は分かんない。  だから取り敢えず。 「母さん!」 「うん?」 「ありがとう!」 「はい。どういたしまして。大事にしなさいよ? それ。」 「おお!」  大事にするに決まってるじゃんか。オレは母さんから  貰った最高の贈り物を手に、感動で体が震える。うへへへ。  と、こうしちゃいられない。今から学校なんだから着替えないと。     
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