不運な雨

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不運な雨

…ツイてないなぁ。高校一年の梶原紗江は呟いた。 学校を出てからバス停までの途中で,突然雨が降りだしたのだ。最初は小降りだった雨は,バス停に着いた頃には本降りになっていた。 「どうしよう…」 傘は持ってきていないし,雨宿りするにも,いつ止むか分からないから,帰りは遅くなりそうだ。 このまま走って帰っても,全身ずぶ濡れになるだろうし。びしょ濡れの制服なんて,明日来ていけないよ…。 仕方ない。雨が上がるまで待とう。紗江はバス停のベンチに腰掛けた。幸い,屋根があるので濡れていない。 「…あれ?先客がいたか。隣り,座っていい?」 男の子の声。紗江が頷くと,隣りに座ったのは紗江の学校のとは違う制服の男子高校生だった。
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