不運な雨

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「あなたも,雨宿りしに来たの?」 紗江が訊くと,彼は「うん」と頷いた。 「けど,一人で待っててもつまんないから,どうしようかなーって」 「じゃあ,私も一緒に雨が上がるまで待つよ」 …こうして,雨のバス停に二人は残った。 「あっ,オレは田代昴。西高の一年」 「私は梶原紗江。南高の同じく一年生だよ」 同い年なんだ。だったら話しやすいかも。 「ねぇ,昴くん。雨が降ってる時って,どんなこと考える?」 紗江の質問に,昴は悩みながら答える。 「うーん,腹減ったなー,とか。待ち合わせしてる時だったら,このまま帰ってフロ入った方がいいかなー,とか」 「帰っちゃうんだ?」
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