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この気持ちが恋なのか何なのか,紗江には分からない。でも,昴との時間がいつまでも続けばいいな,と思う自分がいた。
雨,止まなければいいのに。気がつくと,雨はほぼ上がりつつあった。ただの通り雨だったらしい。
空には,七色の橋がかかっている。
「…あ。紗江ちゃん,見て。虹が出てる」
「ホントだ。キレイ…」
雨はもう上がる。そしたら,昴くんとも…。もちろん,学校も近いし,このバス停の側もまた通るだろうけれど。
「ねぇ,昴くん。…また会えるかな?」
紗江は思わず訊いていた。昴は笑顔で答える。
「会えるよ,きっと。…じゃあ,オレ帰るね」
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