第一章 おかしな世界!ナゾのポポポ

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 私は小学四年生の青野空。今日、七月七日で十歳の誕生日を迎える。  去年まで友達を呼んで開いていた誕生日パーティも、今年は無し。どうしてかというと、引っ越してきたばっかりだから。  ここはママの生まれた町。私はこの間まで都会に住んでいたんだけど、パパが海外に転勤する事になったから、おばあちゃんとおじいちゃんもいるこの町で私とママが暮らす事にしたんだ。私の部屋は、とってもかわいいんだけど、まだ段ボールだらけなの。  お友達と別れるのも寂しかったし、ダンスのレッスンに通えなくなったのも悲しいけど…でも、私どこでだって頑張れるよ。パパもお見送りした時に、そう言ってたもん。 「今日の服、これでいいかなぁ。」  鏡を見ながら独り言を言っちゃうのは、たぶんとっても緊張してるから!  本当は、誕生日だったらもう少しかわいくして行きたいんだけど…転校初日から派手なのって目立ちすぎちゃうかもしれないし…この町でどんなのが流行ってるか、まだわからないから。だから、髪型も服も大人しめ。 「そらー!もう時間よー!」 「はーいー!」  ママもバタバタと支度している。  私はランドセルを背負って、気合を入れ直して、自分の部屋を出た。まだこの家に慣れなくて、部屋を出てすぐの壁にぶつかりそうになってしまう。  この靴を履けば、今日のコーディネートはばっちり!…でもやっぱり、リボンくらいは着けて行きたいな…。 「ごめん、ちょっと待ってて!」 「空!」  ママが止めようとしたけれど、私は慌てて靴を脱いで、自分の部屋に走った。
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