第一章 おかしな世界!ナゾのポポポ

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 僕は小学四年生の天川流星。 「そういえば、今日から学校だって!」 「ああ、青野さん?もう帰って来てたんだ。」  お母さんとお父さんの会話も、テレビを見ながら朝食を食べている僕の耳には入らない。あ、今ウインナー食べた。おいしいなー、とぼんやり思う。  今、テレビでとても面白いニュースがやっているんだ。なんと太陽系に新しい惑星が見された!数日前からニュースになっていたんだけど、ついにはっきり確認されたんだって。その惑星は今まで僕らが知っている惑星とは全然違っていて…。 「流星!聞いてる?」  お母さんがテレビの電源をぶちっと消しちゃった! 「もう、今日で十歳だっていうのに!こんなんで大丈夫かしら。」  お母さんに逆らっても無駄なのはわかってる。お母さんは僕のアラーム時計だからだ。僕がしなきゃいけない事、約束した時間、そういう時が近くなると、ガミガミうるさくなるようになっているらしい。  僕はごちそうさまを言って席を立ち、自分の部屋に入った。 「いいところだったのに!お母さんはいつもそうだ。」  僕は水槽にいるザリガニのハーシェルに話しかけた。独り言じゃない。  本棚から宇宙の図鑑を取り出して、勉強机に向かう。新しく発見された惑星が載っていないのはわかっているけど、このムズムズする気持ち!図鑑を開かずにはいられなかったんだ。 「ちょっと流星!学校は!」  お母さんが部屋のドアを叩く。 「やっぱり、おかしい…。」  僕はそれどころじゃなかった。やっぱり、あんな惑星が、今頃になって新しく発見されるわけがないんだ。  その時だった。  ドンッと背中を押されたような衝撃があって、僕の視界の中にあった図鑑や勉強机が不思議にずれて見えた。  景色が二重になったような、謎の感覚が起きた。 「…?」  僕は目をこすった。部屋の中には誰もいないし、僕は椅子から落ちてもいなければちょっとも動いてもいない。  見回すと、何だか部屋の中に細かいキラキラした粉が舞っている。窓の外が曇ったように暗くなっていた。今日はよく晴れるって、天気予報で言っていたのに。  もう一度、テレビを見なくっちゃ。 僕は部屋のドアを開けた。
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