0人が本棚に入れています
本棚に追加
「今の…何…?」
私は怖くなって、部屋の中をきょろきょろ見回した。部屋がスノードームになったみたいにキラキラ光るものが動いてる。でも何だか、すごく暗い。
「ママー…。」
返事は無かった。玄関にいるから、聞こえなかったかな…。私は部屋のドアを開けて、廊下に出た。
家の中もずっと暗くて、やっぱりラメみたいに何かがキラキラ光ってる。私は壁に手をついておそるおそる玄関の方へ進んだ。
「ママー!」
私はもう一度、大声で叫んだ。やっぱり、返事が無い。
玄関まで来たけど、ママの姿は無かった。さっき私が慌てて脱いだ靴が転がっている。
「私が遅かったから、先に行っちゃったのかなぁ…。」
不安になって、独り言を言いながら靴を履く。
「学校の行き方、わからないのに…。」
玄関のドアを開けた。
家の外もおんなじように暗かった。どんより暗い、分厚い雲が空を全部覆っている。町も全部、雲の中に入っちゃったみたいに暗くて、そしてとても静かだった。
「ま、ママー!?」
結構大きな声で叫んだけれど、やっぱり返事がない。歩きだして、おかしいと思ってよーく見たら、地面も、車も、木や草も、雲と同じ色のカチコチのブロックで出来ていた!
「何これ!だ、誰か…!」
誰かいないのかな?大人の人…子どもでもいい!
ここへは引っ越してきたばっかりだけど、絶対にこんなところじゃなかった。
すると、おろおろしている私の目の前に、何かが現れた。手のひら二つ分くらいの大きさのブロックが空中に浮かんでる。
「ポポポポ!ポポポ!」
ブロックから変な音が聞こえる。まるで、喋っているみたい。
私が怖がっていると、ブロックから光が出て、空中に画面が映し出された。
『MGR+135=マグロ
TI+10=タイ
HTRIK+51301=?』
「な…何!?これ…?」
最初のコメントを投稿しよう!