スターライトシンドローム

12/15
前へ
/15ページ
次へ
 まだ10歳ぐらいだった七星は、当時流行っていた朝娘なアイドルグループに魅了されていた。そして大晦日の日もおばあちゃんの横で、あの国民的歌番組に出ている朝娘なアイドルグループのダンスを踊っていると、おばあちゃんはいきなりよく分からないことを言い始めた。 「紅白に七星が出ているところを見たいねぇ」 何気なく言った言葉なのかもしれないけれど、おばあちゃんのそんな言葉をずっと覚えていて、七星はいつしか歌手になりたいと思うようになった。  高校生になった七星は波の音を聞きながら北斗七星に誓って、高校を卒業と同時に東京に上京したのである。  東京での生活はいつも辛かった。でも七星は音楽学校にアルバイトと頑張ってオーディションを受けまっくていた。もちろん結果はよくはない。そんな時に母から連絡が来た。おばあちゃんが亡くなったって。  七星はおばあちゃんの前で泣きながら叫んでいた。 「おばあちゃん! 絶対私、歌手になるからね。絶対に紅白に出るからね」  それから古村に出会い、地下アイドルとして活動を続けていたのだ。  七星は寝室で涙を流していた。それなのに諦める自分が悔しかった。窓から北極星を見上げ、おばあちゃんを見ていた。そして七星は家を飛び出してある場所に向かった。
/15ページ

最初のコメントを投稿しよう!

1人が本棚に入れています
本棚に追加