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まだ10歳ぐらいだった七星は、当時流行っていた朝娘なアイドルグループに魅了されていた。そして大晦日の日もおばあちゃんの横で、あの国民的歌番組に出ている朝娘なアイドルグループのダンスを踊っていると、おばあちゃんはいきなりよく分からないことを言い始めた。
「紅白に七星が出ているところを見たいねぇ」
何気なく言った言葉なのかもしれないけれど、おばあちゃんのそんな言葉をずっと覚えていて、七星はいつしか歌手になりたいと思うようになった。
高校生になった七星は波の音を聞きながら北斗七星に誓って、高校を卒業と同時に東京に上京したのである。
東京での生活はいつも辛かった。でも七星は音楽学校にアルバイトと頑張ってオーディションを受けまっくていた。もちろん結果はよくはない。そんな時に母から連絡が来た。おばあちゃんが亡くなったって。
七星はおばあちゃんの前で泣きながら叫んでいた。
「おばあちゃん! 絶対私、歌手になるからね。絶対に紅白に出るからね」
それから古村に出会い、地下アイドルとして活動を続けていたのだ。
七星は寝室で涙を流していた。それなのに諦める自分が悔しかった。窓から北極星を見上げ、おばあちゃんを見ていた。そして七星は家を飛び出してある場所に向かった。
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