スターライトシンドローム

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「そりゃ~痛いよ。またヘルニアが悪くなってきてるからね」 七星は白衣を着た中年男性にそう言われていた。この男性は七星が痛めているヘルニアを治療してくれている医者である。3年前にヘルニアになって定期的に通院しているのだ。 「先生、また痛みを和らげてほしいんですけど」 七星が腰を押さえながら鎮痛剤を要求すると、医者はいつもの通り怒り口調になった。 「だから鎮痛剤は痛みを押さえるだけで治療ではないんですよ! 」 「分かってます! だからリハビリはしっかりやっていますので」 医者の声に反応するように七星が反論すると、少し沈黙の後、医者は机に向かいカルテを書きながら冷静な声で話始めた。 「マッサージやリハビリも大切ですが、やはりダンスというのがねぇ~大分腰を痛める原因ですから、辞めて頂かないと」 「それはできません! 私にとってこれが夢だし生きる意味なのですから」 七星がそう強く訴えると医者は苦痛な顔をうかべながら七星を見つめて、また机に向かってカルテを書き始めた。 「では鎮痛剤を出しておきます。後、マッサージは受けていって下さいね」 「はい分かりました」 七星の体はボロボロである。本当はダンスなんて踊れる体ではない。でもどうしても夢にしがみつきたいのだ。
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