そんな事は勿論言えない

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A「ねぇ、今日も撮るの?」 B「うん、ダメ?」 A「言いながら撮ってるじゃない、別に良いけど…飽きないの?同じ景色ばかり」 B「それはお互い様でしょ」 A「私は他にも色々回ってるから…それは置いといて、あなたってそんなに写真好きだったの?」 B「ううん、あんまり」 A「じゃあ何で毎日カメラ構えてるの?」 B「それは…あなたのおかげ、かな」 A「私の…?」 B「あなたと話すには、これしか無いからね」 A「別にカメラが無くても、お話くらいするのに」 B「私には必要なの」 A「そう、変な人ね」 B「(…だって、カメラ越しでないともう、顔を見る事も、出来ないんだもん)」 そう思いカメラから顔を離せば、さっきまでそこに居た彼女はどこにも見えない。その事が辛くて、私はまたカメラを構えた。 A「だから…って、聞いてたの」 B「あ、ごめんちょっと聞こえなかった」 A「全く…もう言わない」 B「…ねぇ、心霊写真って撮ったことある?」 A「そんな物信じてるの…?あんなのただの噂よ、いくつかそれらしい物は見たことあるけど、全部何かの見間違いかイタズラだもの」 B「ふーん、そうなんだ」 A「急にそんな話して、どうしたの?まさか撮れたとか言わないでよね」 B「私はね…」 毎日撮ってるよ 色とりどりの、素敵な心霊写真
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