第一編 第四章 ~本当のこと~

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「お波瑠さんの仕事先は明日から探すとして、 大坂から歩いて疲れただろう 今日は二人ともお客としてゆっくりして行くといい。」 「はい。ありがとうございます局長様。 ところで、局長様のお名前をお聞きしても?」 「ああ、すまない。一人一人紹介しよう。」 波瑠ちゃんがすっごい顔してるけど、なにその顔?? どういう顔?? "白々しいなコイツ"? それとも"なんでお前そんな息を吐くように嘘つけるんだ"? どっちにしろそれで波瑠ちゃんの命の保証ができたんだからいいじゃないの。 近藤勇は自分を含めて、現在この部屋にいる人たちの紹介をしてくれた。 「お前たちも、これから女中として世話になる相手だ。きちんと挨拶をしないと。」 あらやだそんな…… 新撰組の方々から挨拶?我々の世界ではご褒美です。ありがとうございます。 「俺は新撰組の局長、近藤勇。 前に江戸にいたときの名残で簡単な料理ぐらいなら手伝える。 見たところしのぶさんは小柄だし、手の届かない場所に用があるときは、遠慮なく俺や隊士を使ってくれ。」 「ありがとうございます。お気持ちだけ頂戴します。」 「そんなこと言わずに手伝わせてくれ。うちはかなりの人数がいるからな。 そして俺の左脇にいるのが副長の土方歳三だ」 近藤局長の左隣、私から見て右側の色男を指して紹介をしてくれた。 まぁ、土方副長はさっき話したし、写真をスマホのホーム画面にしてたことがあったから名前と顔は一致してるかな。 「口が達者で小狡いようだが、新撰組の下で働くならそれなりの誠意をもって働け。いいな。」 「誠意……つまり従えと?色事ですか??それはちょっと……」 「違ぇわ!!!」 「小野崎、あんまこの人怒らせない方が……めっちゃ怖いし」 「はーい」 アニメの二次創作や小説で見てると、いじられキャラが板に付いてたけど、あれマジか。 めっちゃ面白い。クラスで一匹狼気取ろうとしたら失敗したタイプだ。
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