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宿から何まで色々と手配してくれて本当に頭が下がる思いだ。
「なにかあったらいつでも私たちを頼ってくださいね?」
「その時はぜひにとも」
リリアさんにももちろん頭を下げるのを忘れない。
色々とやりこめられたりしたけども、リリアさんにだって世話になったからな。
「お父さんお母さん、元気でね」
「テレアも元気でね」
「シューイチ君たちに迷惑をかけないようにな?それと向こうに着いたらルカーナによろしく言っておいてくれな?」
「うん!」
ヤクトさんとリリアさんがそれぞれ順番にテレアを抱きしめる。
そうして別れの挨拶を済ませたテレアが俺たちの元に駆け寄ってきた。
「シューイチ君、エナさん、テレアのことよろしく頼んだよ」
「頼まれました」
「任せてください!」
ヤクトさんに頭を下げられ、俺とエナがそれに力強く答える。
いよいよお別れの時だ。
お互いに名残惜しいが、実のところテレアのことを考えるとあまりこの国に長居はできないのだ。
本来なら今から2日前に出発する話だったが、ヤクトさんに「せめて5日後にしてほしい、少し調べたいこともあるし、その間は絶対に君たちには手を出させないようにする」と言われたので今日までマグリドにいたわけだ。
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