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ダックスが呼ぶとコックルがのそりと立ち上がり、その巨体を左右に揺らしながら俺たちのそばへとやってきて、これまたのそりと座り込んだ。
それを見たテレアが恐る恐る手を伸ばし、コックルの頭をゆっくりと撫で始める。
「わっわっ!なんかすごくフワフワしてる!」
「な?大丈夫だっただろ?」
「お兄ちゃん、凄いよこの子!テレア魔物なんて初めてナデナデしたよ!」
あの大人しいテレアが珍しく興奮している。
レアな光景なうえに微笑ましいなぁ。
そんなことを思いながらテレアたちを眺めていると、テントからラフタさんが出てきて俺たちの元にやってきた。
「待たせちまってすまなかったね!もうすぐお客さんの入場始めるからアンタたちもテントに入っちゃいなよ。今なら座席も選び放題だよ」
「あっもうそんな時間なんですね?」
二時間とか長いな……とか思ってたけど芸の練習とか滅多に見れない光景や、コックルやピースケのことを聞いてただけであっという間に過ぎてしまった。
「それじゃあ移動しましょうか?早くテントに入って最前線の座席を確保しないと!」
「甘いなエナは?こういうのは最前列よりも真ん中よりも少し上あたりが最適なんだぞ?」
「そうなんですか?」
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