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一瞬フリルの両親の関係者なんじゃ?という考えがよぎったものの、もしそうならルーデンスさんがここまで邪険にするはずがないと、2秒でその考えを捨てた。
「さっきの人、多分カルマ教団の人だと思います」
「やっぱりそうなのか?」
あの男を見た時のエナの表情からおそらくそうなんじゃないかと思ったが、どうやらビンゴだったようだ。
「あの教団は最近この国にも支部を作ったとのことだが……正直あまりいい噂は聞かんからのう……」
「はい、絶対にかかわらない方がいいと思います」
エナが力強く断言する。
まあ先ほどのルーデンスさんの態度を見るに、関わる気もなければフリルを渡す気もないであろうが……。
「じいちゃん!大変だ!!」
慌てた様子で勢いよく扉を開けて部屋に飛び込んできたのは、息を切らし真っ青な顔になったダックスだった。
「どうしたダックス?騒々しいのう?」
「たっ大変なんだよ!コックルとピースケが!!」
「コックルとピースケの奴がどうかしたのか?」
その刹那―――
「きゃ――――――!!!」
俺たちがこのリンデフランデで関わることになる、事件の幕を開ける悲鳴が響き渡ったのだった。
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