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昔母親に「証拠もないのに決めつけてはいけません!」と言われたことがあるが、そんな当たり前の常識すら通じない相手ってのはどこの世界にもいるもんなんだなぁ。
「ふむ……しかしわからんのがなぜこの一座を……ひいてはフリルを狙っておるのか」
あれ?もしかしてルーデンスさんってフリルが歌魔法を使えるってこと知らないのか?
ふとエナに視線を向けると、俺の考えを視線から読み取ったらしく、俺を横目でチラ見して小さく頷いた。
エナ曰く使い手の滅多にいない高等な魔法らしいし、エナのように魔法に長けた人じゃないと気が付けない物なのかもな。
「恐らくですが、フリルちゃんは新緑の歌姫として有名ですし、教団としてはそんなフリルちゃんを自分たちの下に引き入れることで、プロバガンダ的な役割をさせる腹積もりなんだと思います」
「カルマ教団はただでさえ評判が良くないからなぁ」
エナのもっともらしい意見に賛同したものの、それが嘘であることは当然知ってのことだ。
フリルの歌魔法については知らせる必要はないと思ったんだろう。
「まったくもって困った連中じゃわい……」
「安心しろよ座長!次アイツが来たときはアタシがぶん殴ってでも追い返すからさ!アタシだってコックルやピースケの件で頭に来てるんだ!」
相当腹に据えかねてるのか、ラフタさんが怒りの形相で殴るアクションをした。
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