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気配~月明りの監視~
ピピピピ……ピピピピ……。
聞きなれた電子音で目を覚ます。この通信機、ご丁寧にアラーム機能までついてて何気に便利だな。
時間にして二時間くらい寝たかな?俺はもぞもぞと起き上がり寝ているみんなを起こさないよう物音に気を付けながらテントから這い出た。
「あらシューイチ様?もう時間ですのね?」
「うん、見張り交代するよ」
テントの外で焚火を前に見張りをしてくれていたレリスに、俺は交代時間が来たことを告げた。
「本読んでたの?」
「はい、エナさんに魔法書を借りたので」
そう言ってレリスが本の表紙を俺に見せてきた。
エナはこういった魔法書を何冊も持っており、暇さえあれば読みふけっている姿をよく見かける。
俺も一度読ませてもらったことがあるんだけど、まだこの世界の文字を覚えたての俺では独特の言い回しや専門用語などを理解できなかったのでちんぷんかんぷんだった。
「中々興味深い内容でしたわね……エルサイムに着くまでの間、できるだけ沢山読んで知識を蓄えたいですわ」
「勉強熱心だねぇ」
言いながら俺はレリスの隣に腰を下ろした。
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