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最終的には俺が全裸になってしまえばそれで勝てるが、今回はその方法は取らない。
この先こんな状況は幾度となくある気がするし、無敵パワーがあるから最終的にはそれ頼っちゃえばいいや!なんて環境に甘んじてはいけない気するのだ。
ほどなくして俺たちは行き止まりへとたどり着く。
後ろに気配を感じ俺たちは振り返ると、そこには槍を背負った男が立っていた。
「ずっと後を付いてきやがって……ストーカーかよ」
「すまんが戯言に付き合うつもりはない。簡潔に用件だけを言う……その少女をこちらに渡せ」
なんとなくわかってたことだけど、昨日の三人組みたいに俺の軽口に反応して頭に血を登らせるタイプじゃないみたいだ。
仮にそうだったらものすごく楽だったんだけどなぁ。
「渡すわけないだろ何言ってんだ」
「それなら仕方がない、こちらも仕事なんでな」
そう言って男が槍を構え、一瞬で戦闘態勢に移行する。
それに反応し、テレアが俺たちの前に出た。
「依頼対象は無傷で連れて来いと言われてるんだがな」
「……」
テレアも拳を構えて一触即発の状態になる。
あたりが静寂に包まれ、この時がずっと続く気がしたのも束の間、先に動いたのは槍の男だった。
「ふっ!」
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