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「どうして攻撃してこない?かわしてるだけではじり貧だぞ?」
言いつつもテレアへの攻撃の手を緩めないあたり、余裕があるのが伺える。
それでもテレアは自分から相手に攻撃をしにいかず、攻撃をさばくことに専念している。
そりゃそうだ、だって攻撃せず防御に専念するように言ってあるからな。
どうやらテレアは、俺の言った作戦をちゃんと実行に移してくれているようだ。
とはいえ、防御に専念してるはずなのに徐々に追い込まれているのを見ると、こちらも早々に次の手を打たなくてはならない。
「あっ!」
突きをかわしたテレアが足を滑らしバランスを崩した。
もちろん相手はその隙を見逃さず、バランスを崩したテレアへ突きを放つ。
だがそれを見逃さなかったのはこちらも同じことだ!
「エナ!」
「はい!プロテクション!!」
エナが魔法を使った刹那、テレアの眼前に光る防御壁が出現し槍の一撃を弾いた。
「なっ?」
確実に決まると思った攻撃を防がれた男が動揺したように声を上げた。
その瞬間、俺は弾かれるように二人に向かって駆けだす。
動揺しているにも関わらずそれを瞬時に察知し、あまりにも無防備に飛び出した俺に対して男が槍を構える。
「エナ!テレア!」
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