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二人に合図を送り、俺は瞬時に体内の魔力を活性化させて、昨日の夜にエナに教えてもらった簡単だが……でも確実に効果が出る魔法を放つ。
「フラッシュ!!」
俺から強烈な閃光が迸り、相手の視界を奪った。
「ぬっ!?」
その隙に腰に下げられた剣を鞘から引き抜き、振りかぶり切りかかるが―――
「甘い!」
視界を奪われているにも関わらず相手は振り降ろされた剣を、頭上で槍を両手で水平構えることで防ぐ。
そのままの状態で俺たちは膠着状態になった。
「上手く隙をついたつもりかもしれんが甘かったな?太刀筋があまりにも未熟すぎる」
「そう?俺としてはこの状況って狙い通りなんだよね?」
「なに……?」
俺が軽口を叩いた瞬間、頭上から「何か」が凄い勢いで降ってきて俺の剣にぶつかり力を加えた。
バキンッ!!
その衝撃に耐え切れず俺の剣は砕け……そして相手の槍がへし折れた。
「ばっ……バカな」
その振ってきた「何か」はテレアだった。
見るとテレアの両足が光に包まれている。
おそらく部分的に強化を施すエナの補助魔法「パワーエンチャント」だろう。
それにテレアの身体強化魔法を両足に集中させ飛び上がり、落下の勢いを加えドロップキックで俺の剣ごと相手の槍をへし折ったのだ。
俺たちの作戦は「相手の武器を破壊する」その一点に集中することだった。
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