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もちろんそのことは国中に広まり王の耳にも入ることとなる。
冒険者として蓄えてきた豊富な知識や、数々の戦いを生き抜いてきた力量を見込まれ、王直々の頼みで二人はマグリド国のご意見番となった。
テレアの知る限りマグリド国は過去三回ほど魔物の侵攻を受けたのだが、その三回をシルクス夫妻の主導の元、犠牲者を出すこともなく見事に撃退している。
その他にも外交問題を穏便に済すべく王に助言をしたり、内乱が発生しそうになるとそれをいち早く察知し未然に防ぐなど、文字通り二人はマグリド国に多大な貢献をしていき、王だけでなく多くの民衆も信頼も得ていく。
そんな二人ではあったが国のご意見番であると同時に国の一国民であることに固持し、王からの爵位の授与も断り続け、領地も受け取ることもなくマグリドの城下町で親子三人平和に暮らしていた。
そうなってくると、それを面白くないと思うのが貴族連中である。
元々マグリドは貴族間の権力争いが激しいことで有名であり、王もそのことで手を焼いていたらしい。
シルクス夫妻ですら貴族問題に手を出すべきではないと、基本的には関わらないようにしていたとのこと。
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