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しかもあいつらのことだ……たとえ誰かに助けてもらえたとしてもそんなことお構いなしにテレアを強引に連れ去っていってしまっただろう。
ギルドの承認試験の帰り道で俺たちに助けを求めに来た時には、きっともう心身ともに限界だったんだろうな。
「知らない人は怖いし、でも本当は助けてほしくて……でもきっとあの人たちはそんなこと関係なしに、テレアのこと捕まえようとしてくるかもしれなくて……でも誰かに助けてほしくて……」
テレアの声に段々と嗚咽が混じっていく。
「ごめんなさい……お兄ちゃんたちを巻き込んでごめんなさい……うぐぅ……ひっく」
「大丈夫ですよ?もう大丈夫ですからね?」
泣きじゃくるテレアをそう宥めながらエナが優しく抱き留める。
それから10分ほどテレアはエナの胸の中で泣き続けていたのだった。
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