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国章~事件の幕開け~
一座の公演が終わってから30分ほど過ぎた頃、ようやくラフタさんが俺たちの座る座席へとやってきた。
「またせちゃってごめんな?んじゃ今から座長のところへ行くから付いてきて!」
こうして俺たちはラフタさんへと案内され会場を後にし、団員たちが寝泊りをする仮設の宿舎へとやってきた。
宿舎の中では今日の公演を無事に乗り越え、思い思いに羽を伸ばす団員たちがあふれていた。
ざっと見て20~30人はいて、それに対し仮設宿舎の部屋数は3つほどしかないようだ。
寝るときなどはこの人数がそれぞれの部屋ですし詰め状態になるのだろうか?
そんなどうでもいいことを思いながら、団員たちに適当に挨拶していくラフタさんの後に続いていくと、この世界の言葉で「座長の部屋」と書かれたプレートの掛けられた扉の前の到着する。
「座長ー!入るよー!」
ラフタさんがそういうと、ノックもせずに扉を開けた。
そのあまりの思いっきりのよさに思わず戦慄してしまった。
「例のフリルを見つけてくれた三人を連れてきたよ!」
「ん……ご苦労さん」
ラフタさんに座長と呼ばれたご老人が、寝ていたベッドから身体を起こした。
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