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暴走~短期決戦~
「え?今の悲鳴なに……?」
突然の悲鳴にテレアが不安そうな声を上げた。
ダックスのこの慌てぶりを見るに、恐らくよほどの緊急事態が発生してるはずだ。
「とにかく行こう!ダックス案内頼む!」
俺の声にダックスが頷いて先導するにように走りだし、俺たちもその後を追っていく。
そのまま宿舎を出てテントの裏……魔物たちの檻があるところまでたどり着くと、そこはすでに一座の団員たちでごった返していた。
「ブモ――――――!!!」
突然の魔物の咆哮に、思わず耳を塞ぐ。
この鳴き声はたしか、ピースケのはずだ。
「どうしたんだピースケ!」
「ピースケ落ち着いて!!」
他の団員たちが取り囲み宥めようとするも、興奮した様子のピースケは一向に聞く耳を持たず、巨大な前足で地面をスタンピングし、その衝撃で地面が揺れる。
ピースケは檻の中で大人しくしていたはずなのになぜ外に出てるんだ?
そう思い檻のあった場所を見ると、もはやその役目を果たせなくなり滅茶滅茶に折れ曲がりひしゃげた檻の残骸が残されていた。
恐らく力ずくで暴れ、檻を破壊したのだろう。
「ガオ――――――!!」
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