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拳士~英雄の娘~
テレアも目を覚ましたので俺たちは朝食をとるために、昨日と同じ食堂に来ていた。
「はあぁぁぁ……お姉ちゃん……いい響きですね……お姉ちゃん」
「いつまでトリップしてるんだよ……」
お兄ちゃんだなんて団地に住んでた頃散々呼ばれてたから慣れたもんだったとはいえ、テレアほど可愛い子にお兄ちゃん呼びされたことがなかったこともあり、さすがの俺でもちょっとクラっと来た。
俺でさえ結構クルものがあったんだ……兄妹のいないらしいエナのダメージはそれはもう計り知れないだろう。
「テレア、悪いことしちゃったのかな……?」
「気にしなくていいからな?これからもどんどんお姉ちゃんと呼んであげるといい」
「うん……」
小さな口で卵サンドを一生懸命ハムハムしてる姿はさながら小動物のようで、見ていて非常に癒される。
よく考えたらこっちの世界に来てから妙に殺伐した状況に置かれることが多かったからなぁ……テレアの存在は俺にとって一つの清涼剤だな。
……とまあ和んでばかりもいられないので、聞くべきことを今のうちに聞いておかないと。
「さて……俺とエナは今日ギルドの仕事をしに行く予定なんだけど、テレアはどうする?」
「え?」
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