戦闘~一点集中~

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戦闘~一点集中~

「迎え撃つって、本気ですか!?逃げた方がよくないですか!?」  謎の追跡者を迎え撃つ判断を下した俺に、エナが驚愕の表情で訴えてくる。 「ダメだよエナお姉ちゃん、逃げても絶対どこかで追いつかれちゃう」 「宿屋まで帰ってしまえば、向こうだって迂闊に手を出しては来ませんよ」 「昨日のズッコケ三人組の様子を見るに、どこにいようとお構いなしだと思うぞ?」  それをしたとして一番考えられる最悪のケースは、宿屋でテレアが一人になった瞬間を狙われることだ。  心配事をなくすためにも今ここで憂いのもとを断った方がいい。 「うぅ……わかりましたよ」  観念したようにエナが力なくうなだれる。  エナが迎え撃つことに否定的なのは相手の強さが云々じゃなく、俺に全裸になられるのが嫌なんだろうなぁ。 「大丈夫だ、今回は全裸にならずに済むようにするから」 「そんな簡単な相手とは思えないんですけどね……」 「全裸?」  テレアが全裸の単語に反応して、疑問符を浮かべながら首をかしげる。 「なあテレア?今追ってきてる奴ってテレアが本気で戦ったとしても勝てない相手なのか?」 「多分だけど、今のテレアが本気で頑張っても無理だと思う……」     
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