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私は無理して、彼の事を思い出さない様にしていたのだが、真一の名前を出されて、つい心が揺れた。
「あなたは?」
「僕は徳永と専攻が同じだった、木下と言うものだ。三回生の時に、よく僕の部屋で飲んだものさ」
と話しながら、私の向かいの椅子に座った。
木下は、このカフェにコーヒー豆を卸してる、業者に勤めていると言う。
先日、ここで明美を見かけてもしやと思い、気にかけていたらしい。
明美の事は、真一からよく写真を見せられてて覚えていたそうだ。
「あ、あのう…」
今更と思い直し、相席を断ろうとした時、木下が言った。
「君は多分、誤解したままだろうと思ったから、一応伝えておこうと思って」
木下は、そんな事を言い出した。
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