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「可愛い!!」「可愛い!!」「可愛い!!」「可愛い!!」「可愛い!!」「可愛い!!」「可愛い!!」「可愛い!!」「可愛い!!」「可愛い!!」「可愛い!!」「可愛い!!」「可愛い!!」「可愛い!!」「可愛い!!」「可愛い!!」「可愛い!!」「可愛い!!」・・・
ぱしゃ!ぱしゃ!ぱしゃ!ぱしゃ!ぱしゃ!ぱしゃ!ぱしゃ!ぱしゃ!ぱしゃ!ぱしゃ!ぱしゃ!ぱしゃ!ぱしゃ!ぱしゃ!ぱしゃ!ぱしゃ!
「何時・・・御主人様戻ってくるの?ママ・・・怖いよ・・・人間が寄って帰ります集って取り囲んで・・・怖いよ・・・」
「坊や・・・私もそうよ・・・逃げたいけど・・・逃げ出したいけど・・・
この人間の群れ・・・怖いわ・・・!!
でも、坊や私が守ってあげるわ。私の懐で眠りなさい。」
「ね・・・眠れないよ・・・!!」
親子の猫が、街の歩行者天国の行き先表示盤のある台の上で、ブルブルと震えていた。
猫達が居る台にワラワラと群がる周囲の人間達は、スマホのカメラを怯える猫達をぱしゃ!ぱしゃ!と写しまくり、SNSに写真にアップして全国的に晒し者にされていった。
1時間・・・
2時間・・・
3時間・・・
・・・・・・
6時間・・・
猫達を囲む人間どもの群れは止めどなく溢れ、台の上の親子猫はじっと目を瞑って身動きの出来ぬ辛さに耐えていた。
やがて、夕暮れが迫る頃。
歩行者天国が解除される時刻になった頃だった。
たったったったったった・・・
「またお前か!!周囲が迷惑してるんだよ!!今度やったら、動物愛護法で逮捕するぞ!!」
見廻りの警官にどやされながら、大きな紙袋を持った初老の男が猫達の居る台にやって来て、バッ!!と紙袋に母猫と子猫を無造作に放り入れると、追いかけてくる警官から駆け足で逃げていった。
「酷いよ酷いよ御主人様は!!」
男に入れられた反動でアザを作った子猫は、シクシクとすすり泣いて叫んだ。
「我慢するのよ、坊や。御主人様の家に帰ってきたらご褒美のご馳走が貰えるからね!!」
「でも・・・」
親子猫達は、初老の男の小脇に抱えた紙袋の中で目を閉じてじっと踞った。
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