2話目  その次の。

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 そのままベルトを抜かれ、ズボンは膝までずり降ろされた。  委員長はいつもの生真面目な優等生面とはかけ離れていた。その瞳が、がっついた雄さならがらにギラついていて、あの夜と同じ熱を帯びていた。 「今欲しい」 「いいよ……こんなとこ、誰もこない」  俺は腰を浮かせたまま委員長のあぐらの上に跨った。  正面で向き合うと、照れくさくてまともに委員長を見られなかった。だからすぐに瞼を閉じて俺から唇を重ねた。委員長はそれを合図に俺の腰をぎゅっと引き寄せた。  折り重なる服をたぐって、そこだけ剥き出しの臀部をつかまれた。  指が濡れた場所を探って彷徨う。内腿から敏感なところを探り当てられ、俺は低いうめき声を上げる。そしてここが教室だという事を思い出し、歯を食いしばる。  指は容赦なく俺の中に深く侵入し、内側の肉に震えるような波が立った。俺の首に甘噛みしていた委員長から熱い吐息が漏れて、俺まで蜃気楼が立ち昇るように過熱した。 「あ……う」 セーターの上からでも俺の胸の先はもう硬く尖り、動いて擦れるだけで疼くような痺れが走った。格段に鋭い感覚はすでに神経が過敏になっている証拠だった。  下着の裾から委員長の手が滑り込んできて、体の形をなぞるように触れていく。 「ん……ふ、っつ」 俺はその手が、唇が、舌先が触れる全てに翻弄されていた。声を押さえたぶん、よけいに息が上がって、ついに懇願した。 「委員……長、して……」  声が途切れたところで、委員長は指を抜き、かわりに自分のものを押し込んだ。  く、っと俺は小さな泣き声をあげた。  異物を体内に咥えこむ刺激に、体が一瞬、強張る。きつく締められて委員長があえぐように俺の名前を呼んだ。切ない声が鼓膜に響いて、嬉しさに気が遠くなった。
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