白い塔

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「お、メールだ」 スマホが鳴ったのを確認して、僕は持っていた雑巾を片付け、少し手を洗ってからスマホを触る。 画面に出ている宛先は音無ちゃん。目覚まし時計が指すのは7:05、どうやら起きてきたらしい。 『おはようございます。昨日は野暮な質問をして迷惑をかけてしまい、申し訳ございませんでした。』 どうやら昨日の一件を引き摺っていたらしい。あれは此方が悪かったのだから、音無ちゃんが気にやむ必要はないのだが……。 『こちらこそ、あんな態度を取ってごめんね。所で、今日は塔に行くまでに何か予定あったりする?』 僕は送信を押すと、隣の部屋の物音に耳を澄ませる。案の定というか、音は全く聞こえない。 ……いや、トースターの加熱音はかすかに聞こえる。やはり音無ちゃんの能力は自分が関係しないことには及ばないらしい。 ぴーっ♪ぴーっ♪ぴーっ♪ スマホが鳴った。僕は直ぐにメールを確認した。 『特に考えておりません。月見里さんにも予定がないのでしたら、一緒に近くを散策してみませんか?』 どうやら音無ちゃんも僕と同じことを考えていたらしい。同意の返事を送ると、彼女の準備が終わるまで適当にテレビでも見るべく、机の上のリモコンを手に取った。 「次のニュースです。今朝未明、○○市にて火元不明の火事が発生しました。 家事を発見した地元の住民によると、火は家全体を満遍なく包み込むような不可解な挙動をとっていたと証言しており、警察は━━
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