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「初日からずっと仲良しだと俺は思うよ? あれでもまだ話しかけるだけで『ウザい』とか言われるよ?」
「一ヶ月一緒の部屋で暮らしてるけど、どうなの? 何話してるの?」
「あいつは自分のことはあんまり話さないかな…… まだ心開いてくれてないみたいだし。いつも俺のことを一方的に喋るだけかな?」
「信じられないわ! よくアレでルームメイトなんてやってるわね!?」
「ジュラの方こそどうなんだい? 同じ恐竜好きの女の子と一緒じゃないの?」
「うん…… 恐竜が好きな娘で嬉しいんだけど……」
ジュラは何故か口ごもった。何かあると竜桜は瞬時に察した。
「そんなことより、座学の小盾先生って授業に遅れると説教が長くなるから早く行きましょうよ」
ジュラはイマジネーションピッケルを軽く地面に突きベイシャンロンを呼び出し、その上に跨った。
「乗って」
「いいの?」
「どうせ行き先は同じ教室でしょ? 遠慮することないわよ」
竜桜もベイシャンロンに跨った。バイクで言うところのタンデム(二人乗り)の状態である。
「しっかり捕まってなさいよ」
竜桜はジュラの腰に両腕を回して抱きしめた。生まれて始めて密接する女の子の感覚はとてもとても柔らかいものであった。
その瞬間、ジュラの激しい肘打ちが竜桜の腹に入る。
「ぐえっ!」
「このエッチ! 変態! 女の子の腰に手回すなんて最低!」
「ジュラがしっかり掴まれって言ったんじゃないか! そんなのってないよ!」と、竜桜。脇腹の痛みに耐えながら叫んだ。
「アンタの触り方がいやらしいのよ!」
「だったらどうしたら良いんだよ!」
「もう、仕方ないわね。口から内臓が飛び出ない程度にガッチリとしがみつきなさい! もし胸触ったら翌朝ティラノサウルスのフンになるからね!」
難しい注文をするなぁ。と、思いながら竜桜はジュラに軽くしがみついた。
「じゃあ行くよ!」
ベイシャンロンは校舎に向けて大地を蹴り上げ走り出した。
それを見る者が一人…… まるで恋人同士の様なジュラと竜桜の姿を殺気たっぷりの目で睨みつけているのであった……
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