恐竜イマジネーション

第四章、真実の少年

「あの、ヘレラさんが始めに引き当てた恐竜はなんですか？」
ザーブルが尋ねた。この手の綺麗なお姉さんには弱い所があるのか、多少声が上ずって緊張している様子だった。
「偶然にもヘレラサウルスなのよ。奇跡だって言われたわ」

ヘレラサウルス、三畳紀前半に生息していた小型の獣脚類の恐竜である。手が5本指、足は4本指と原始的な獣脚類の特徴を持っている。名前の由来はアルゼンチンのヴィクトリノ・ヘレラが発見したからとされている。ちなみに全身骨格を発見したのは別の人であり「月の谷」と呼ばれる場所で発見された。
その為に「月谷」と言う苗字がつく「ヘレラ」がヘレラサウルスを発見したことはちょっとした奇跡であると恐竜学苑北米校では話題になった。

3人はヘレラに上野博物館を案内された。竜桜だけは入学前に何回も来ている場所であったため「復習」と言った感じであった。
ある程度回った辺りでジュラは急に顔を隠してしまった。