早く、早く

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俺は街中のベンチに座り、待っていた。 顔も名前も知らない君を。 運命というものを俺は信じている。 きっとこの大勢の中から俺は君を見つける。 よく運命の相手を見つけると、雷が落ちるとか、ハートを矢で打ち抜かれるとか聞く。 ああ、俺は君を見つけたらどうなるのだろう、どんな行動を取るのだろうか。 仕事終わり、1時間ばかりベンチに座りぼーっと人込みを見ることが日課となっていた。 職質されないように本を読んだり、スマホを見たり。 もちろん、運命の相手を見逃さないようにちゃんと注意はしている。 俺は楽しみで仕方ない。 ああ、早く君に会いたい。 俺は今まで人を好きになったことはなかった。 そんな俺がこの前夢を見た。俺が女と一緒に歩いている夢。 きっとこれは予知夢だと思った。 顔はなぜかわからなかったが、この女が欲しいと思った。 俺の顔は良い方らしく、よく告白される。でも俺は人を好きになったことはない。 俺は夢の中であった君に恋をした。俺の初恋の人。 顔も名前も知らない君。 その日以来、俺はこうして探すことにした。 そんな生活をして1か月後、ついに見つけた。運命の相手。 街はハロウィンでいつもより人が多い。 俺の前を通った君、顔は見えなかったが、俺の本能が追いかけろと言った。 白い肌、白いナース服を来た君。 俺は人込みをかき分け、追いかけた。
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