星と滑り台

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 あの時の俺は、期待していた。陽菜は俺のことを好きなのではないかと。いや、おそらく好かれているだろうという確信があった。俺から告白することなど恥ずかしくてできないけれど、それでも陽菜から告白でもするのなら、喜んで受けようと。  けれども告白されることはなく、俺と陽菜は高校を卒業した。  陽菜は東京へ、俺は変わらずここに。卒業して数ヶ月経つと、連絡もとらなくなった。陽菜の近況報告のメールに、俺はなんと返事をしたらいいのかわからなくなっていったのだ。  それでも俺の中での陽菜の存在は大きくなるばかりだった。陽菜は東京でどうしているだろうか。俺の知らない派手な遊びを覚えたり、難しい学問を吸収しているのだろうか。  彼氏ができたり、してしまったのだろうか。  考えたくはないけれど、どうしてもその思いを消し去ることはできなかった。それでもなるべくその不安を遠くへと追いやり、見て見ぬフリをし続けてきた。  そして、それは1年経った今でも。
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