星と滑り台

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 ある日、俺は高校の友達に呼ばれて焼肉屋へ行った。東京やら大阪やらに行って大学生となった元クラスメイト達が9人、そこにいた。高校を卒業してから半年と少ししか経っていなかったはずなのに、皆は一様に様変わりしていた。  進学しなかったのは俺だけだった。家庭の事情だとか、そういう類の理由ではない。ただ単に、大学というものに興味が無かったのだ。両親は俺の事など気にかけていないし、教師の進学への勧めも俺には響かなかった。  大学になど行っても意味がない。もう学校には十分通った。何かしたい事だとか、叶えたい夢があるわけではないけれど、これからのんびり考えよう。高校生の時の俺はそう思っていた。
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