5人が本棚に入れています
本棚に追加
そういや、なんでラヴィは避けようとしてくれたんだ?
突進かます直前までは殺気に満ち溢れていたのに。
「なぁラヴィ、どうして角が刺さらない様にしてくれたんだ?」
スリスリと甘えてくるラヴィの首元を撫でながら、オレは疑問に思ったことを素直に聞いてみる。
「マスター様が聞いていた人間と違ったからです」
ラヴィの言葉にオレは首をかしげた。
いったいラヴィは人間の事をどんな風に伝え聞いていたのだろうか。
オレの疑問にラヴィが気づいたらしく、すぐに教えてくれた。
「人間は僕たちホーンラビットの毛皮が大好きで、僕たちを見つけたら容赦なく襲ってくるから、やられる前にやれって代々教わってきたんだ。
だからマスター様に会った時も直ぐに襲ったんだけど、マスター様は襲いもしないし怯えて逃げもしないから、この人は他の人間とは違うって思ったから避けたの。
僕は本当はずっと人間と話をしてみたかったから、だから…」
怯えなかったっていうか、諦めてただけなんだけどな。
毛皮が狙われるってのは分かる、だってこんなにモフモフなんだもん、触りたくなるよね欲しくなるよね、そうなると毛皮狙いのハンター的なの湧いても不思議じゃない。
とりあえず懐いてくれたのはオレに敵意がない事がラヴィに伝わったことと、そもそもラヴィが人間に興味あったからってことか。
ふと全身を襲っていた痛みが引いてる事に気が付いた、身体をコキコキ動かしてみても全然痛くない…なんで?
『スキル確認した方がいいよ』
【ブローノ】に言われてまたステータス画面を出してみると、さっき???と表示されてたスキルの内の一つが分かるようになっていた。
えっと…“自然回復”?
『説明するよ!自然回復は時間がたつとゆっくりだけど傷や体力が回復していくスキルだよ
骨折とかしても包帯とかで固定しとけば、治っちゃう優れものだよ』
なにそれ、めっちゃ便利じゃん。
連戦じゃない限り回復薬要らずじゃね?
実際、死にかけてたのにラヴィや【ブローノ】と話してる間に完全に回復してたし。
「マスター様身体の方は大丈夫ですか?」
普通に身体を動かすオレに驚いたようにラヴィが聞いてきた、まぁ当然だわな。
さっきまで死にかけてたんだから。
最初のコメントを投稿しよう!