拒絶

2/3
171人が本棚に入れています
本棚に追加
/12ページ
僕はひどくショックを受けて、頭の中で「なんで?どうして?」を繰り返した。 でも、心のどこかで「やっぱり」と納得している自分もいた。 僕は、恋愛対象が男の人だから、翔太とのセックスに抵抗はない。でも、翔太は普通に女の子が好きなはずだ。きっと、夏の暑さで頭がおかしくなって、よく女の子に間違われる僕相手に、たまたま欲情してしまっただけだったのだろう。 それを、僕が自分に都合がいいように解釈していたのだ。僕も、夏の暑さで浮かれていたのだ。 僕は翔太に「うん、わかった。ごめんね…」と謝った。僕は恋人でもなんでもないのだから、泣いて引き留めるなんてことは出来ない。 翔太も一言「ごめん」と言って、僕の前から走り去った。 翔太が去った後、僕はひたすら泣き続けた。翔太と身体を繋げるなんて、永遠にあり得ないと思っていた。翔太の熱を感じることが出来て、すごく幸せだった。でも、こんな別れ方をするのなら、ずっと友達のままでいた方がよかったのかもしれない。それなら、離れることはなかったはずだ。 僕は、心と頭の中がぐちゃぐちゃになってしまい、涙が枯れるまで泣き続けた。     
/12ページ

最初のコメントを投稿しよう!