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真実の想い
僕はぼんやりとしていたみたいで、翔太に肩を揺すられてハッと意識を戻した。
「凪、大丈夫か?おまえ、よく熱中症でフラフラになってたもんな…。なのにこんな暑い中、陽射しの強い道を歩いて…」
「うん、そうだね。早く家に帰ればよかったんだけど。でも、あそこを歩いてたから、翔太に会えた…」
「凪…」
僕と翔太は、さすがにあの熱い道の真ん中で話は出来ないということで、山の麓にある小さな神社に来ていた。
高校を出てからの、お互いどうしてたのかを話し込んでいたら、いつの間にか辺りが薄暗くなっていた。
陽が落ちて、焼け付くような暑さは和らいだけど、二人の間を吹き抜ける風は、まだ生温い。
蚊が一匹二匹と出てきて、翔太が腕を刺されたこともあり、そろそろ帰ることにした。
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