真実の想い

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自転車を押す翔太の隣を、ゆっくりと歩いて行く。八年ぶりに翔太と話せて、すごく嬉しかった。ずっと会うのが怖かった翔太と再会できて、満足した。でも、僕は何かを忘れてる気がする。何だったのかを、じっと前を見つめて考える。 一本道の遠く向こうに、車のライトが小さく見えて、僕は「あ」と声をあげて大きく目を見開いた。 ーーそうだった。僕がここに来たのは、翔太に…。 隣の翔太を見上げると、翔太も僕を見ていた。しばらく見つめ合った後に、翔太が口を開く。 「凪…俺、凪にずっと言いたかったことがある。さっき何度も言おうとしたけど、勇気が出なかった。でも、やっぱりちゃんと伝えたい。八年前、逃げるように凪から離れてごめん…。俺、ずっと後悔してた。だってあの時、凪を抱いたのは、暑さのせいでも、凪から誘われたからでもない。俺が、凪に欲情して抱きたかったからだ。凪に会うと欲しくなって何度も抱いたよな…。俺の身体が凪を求めて熱くなったのは事実だ。だけど頭の中では、凪は可愛いけど男なんだ…って、どこかで止めようとする俺がいた…。結局、俺自身、どうすればいいかわからなくなって、凪と向き合うこともしないで、逃げたんだ。凪は…ちゃんと俺と向き合おうとしてたよな…」 「もういいよ。僕はね、ずっと翔太が好きだったんだ。だから、ほんの短い間でも、翔太と触れ合えて嬉しかったよ。それに、僕も結局逃げたし。逃げて、七年も戻って来なかった」 「でもそれって、俺のせいだろ?俺に会いたくなくて、戻って来れなかったんだろ?でも俺は、ずっと凪に会いたかった。あれから俺は、何人かと付き合ったって言ったよな。でも長続きはしなかった。誰と付き合っても、『凪とは違う』と思って冷めるんだ。俺は…三人目の時に、やっと気づいた。俺の中には凪がいる。いつも、凪のことを考えてしまっている。俺は、凪が好きなんだ。凪じゃないとダメなんだ、って」 「翔太…」
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