真実の想い

1/2
168人が本棚に入れています
本棚に追加
/12ページ

真実の想い

僕はぼんやりとしていたみたいで、翔太に肩を揺すられてハッと意識を戻した。 「凪、大丈夫か?おまえ、よく熱中症でフラフラになってたもんな…。なのにこんな暑い中、陽射しの強い道を歩いて…」 「うん、そうだね。早く家に帰ればよかったんだけど。でも、あそこを歩いてたから、翔太に会えた…」 「凪…」 僕と翔太は、さすがにあの熱い道の真ん中で話は出来ないということで、山の麓にある小さな神社に来ていた。 高校を出てからの、お互いどうしてたのかを話し込んでいたら、いつの間にか辺りが薄暗くなっていた。 陽が落ちて、焼け付くような暑さは和らいだけど、二人の間を吹き抜ける風は、まだ生温い。 蚊が一匹二匹と出てきて、翔太が腕を刺されたこともあり、そろそろ帰ることにした。
/12ページ

最初のコメントを投稿しよう!