ようこそ、終電後の世界へ

2/12
前へ
/12ページ
次へ
駅の周辺を歩いて、少し裏通りに入ったところに、まだやっていそうな居酒屋を見つけて中に入る。 「いらっしゃいませ!あら、お兄さんこんなところに迷い込んじゃいました?」 店員のお姉さんが、少し驚いたような顔をして僕を見た。 迷い込むってどういうことだろう? 疑問を抱きつつ通された座敷に座ると、一気に疲れが押し寄せてきた。 力なく、ビールと、から揚げを頼む。 楽しいことも、心が躍ることも、何もない。 会社に行っても、上司からの圧力と、周囲との競争に心を疲弊させるだけ。 会社と家を往復するだけの日々に、生きている意味も特に見いだせなかった。
/12ページ

最初のコメントを投稿しよう!

0人が本棚に入れています
本棚に追加