お別れの、前の日。

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 純平の青春は、バスケットボールだったけど。  私の青春は、純平だった。  バスケットボールを追いかけるあのまっすぐな目が、たまらなく憎たらしくて、たまらなく大好きだった。  空飛ぶ鉄屑が、ぐんぐんとあいつを遠くにさらっていく。  アメリカだって。ずいぶん、遠くに行くんだなあ。  優衣はこの日から、飛行機雲も大嫌いになった。
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