お別れの、二年後。

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「いや、まあ、アルバイトって、その……男もいんのかなあって」 「男? そりゃあ、いるけど」  そう答えれば、純平は、へえ、と小さく言ってから、黙り込んだ。  バイト先の男。そういえば、先輩に誘われた、あのバスケットボールの試合はいつなのか。きちんと日付を見ていなかった。 「お前の、何?」 「え? 何が?」 「さっき。なんか言いかけたじゃん」 「あー」  優衣は思い悩んでから、 「なんだっけ。忘れた」  と言った。  嘘。本当は覚えている。純平も、向こうでアルバイトをしているのか、と訊こうとした。  けれど、よくよく考えたら、そんなに知りたいことでもない。むしろ、知りたくない。新しい出会いがあったかもしれない話、なんて。優衣は訊くのをやめた。  バスケットボールの試合の日取りが、いよいよ本格的に気になり始めた。チケットを確認しようと、優衣はバッグを取りに立ち上がった。  すると、背後から、優衣、と呼ばれる。  優衣は立ち止まって、振り返った。 「なに」
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