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優衣は、この時初めて、二年ぶりの純平を正面から見た。なんだか、ますますたくましくなって、髪なんか、こう、おしゃれに逆立っていた。
純平は、まっすぐに優衣を見ていた。バスケットボールを追いかけるような、そんな眼差しで。
純平が口を開いた。
「I love you」
優衣は、目をまるくした。そして、そのまるい目のまま、
「なにその無駄な発音の良さ」
と言った。
「練習した」
「あほなの?」
「優衣、愛してる」
「ああ、そう。それはそれは。いつも」
その先を言いかけて、やめた。
優衣は、純平を見つめ返した。
鼓動が加速する。
星屑たちが、今だ、言っちまえ、と、急かすようにチカチカ瞬いた。
「私も、愛してる」
優衣はついに、そう告げた。
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