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光はジャーゲルトのまとう風の防御を簡単にすり抜け、彼の左腕をえぐっていった。さらに勢いは衰えず、イブリースの銀の胸当てを正確に突き破った。
女戦士は焦げた胸の穴を手でおさえた。夢の続きを見るようにジャーゲルトに語りかける。
「わたしと兄の…」
「イブリース!」ジャーゲルトは倒れていく女戦士に向かって叫んだ。しかし彼が伸ばした血まみれの手は届かなかった。
精霊師の体は空に浮かんだのち、暗い洞窟から完全に消え失せた。
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