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「ちくしょう! なんて所だ、ここは!」守護者のレブナントは初めてこの任務に就いたことを後悔した。  時は一時間前に遡る。  レヴナントは崩れ落ちた教会の天井の廃材を、憎しみをもって踏みつけた。泥土と血にまみれたブーツが重い音をたて、焦げ跡の残る木材を砕き散らす。  その様子を背後で見ていた猫目のジュビアも、自らの武器である右手の爪の出具合を確かめながら、同情のため息を漏らした。仲間の古戦士が苛立つのも無理はない。もう一昼夜、我々はこの廃墟で時間を無駄にしているのだから。  セヴェル自治領所属の【守護者】の隊員たち六名は今、天井のくずおれた廃教会の中央に集まり、周囲からの襲撃に備え、陣を張っていた。実際には陣とは名ばかりのもので、疲弊し傷ついた男女がよせ集まっているに過ぎない。さらに守護者のうちニ人は重篤で、起き上がれない状態だった。 「カウシマ、答えをくれ。結界はあと何時…いや何日保つ?」  レヴナントの問いに、剃髪の導引師は無言で答えた。指で数字の「1」を形作り、次に下線を引くような仕草。ジュビアはそれが数字の未満の意味だと知っていた。 「ではお前の最後の導引は、この陣を維持する為に使え、いいな」     
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