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「ごめんね…。
君をこんな処に閉じ込めて。」
「? 主神は悪くは無いです。むしろ私が消えなかったのはあの方と主神のおかげです。」
「彼にも悪いことをした。」
「いえ、そもそも私が禁忌を犯したせいです。」
「君の機転で世界は救われたんだ。卑下することはないよ。」
「あの方は…大丈夫なのでしょうか…。」
「ああ。大丈夫。待つそうだよ。」
「そうですか。あの子は無事に輪廻の環に戻れましたか?」
「ああ。あの子も回帰した。時が来れば彼のもとに向かうだろ。それが定めなのだから。」
「本当にこれでよかったのでしょうか?主神。」
「私にできることなんてほとんどないんだよ。祝福するか、ただ世界を見守るだけ。何もできないのは私の方だ。君は人の身で良くやった。本来は褒められるべきなんだ。いつか彼らに会えるといいね。」
「そうですね。この檻の中で祈っています。」
「君の祈りはきっと二人に届くよ。…さて、長居しているとうるさいのが来るから今日はもう帰るよ。また来るから。」
「ふふ。そうですね。また天使長がお小言言いに来ますね。サボってないです仕事してくださいって。」
「サボってるわけじゃないのにね。またね。」
「はい。では、私も仕事をしますね。」
「君の祈りは神々しいよ。」
「主神が言うと本末転倒な気がします。」
「君の祈りは特別なんだよ。昔からね。」
「…」
「私の願いは、いつか君を二人に返すこと。」
「魂の補填は魂だけです。」
「もう、ただ見守るだけの神になんてなりたくないんだ。ないんだ。」
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