第一話 思い出と少女

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「しまっ……」    至近距離で火球を食らい、怪人は後方に大きくのけぞった。 「がああっ!」 「これで、おしまい!」  駄目押しの一発。それも見事に命中し、雨の街に刹那の花火が咲いた。 「やった?」 「逃げられたケヨ。羊さんのお肉、食べたかったケヨ~」 「食べる気だったんだ……」    合体が解け、恨めしそうなクマデと、安堵と苦笑の入り混じった笑顔を見せる志穂が残された。 「これで桜子さん、元通りに……」    志穂は一縷の希望を抱きながら、足早に桜子の元に向かった。  
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