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「しまっ……」
至近距離で火球を食らい、怪人は後方に大きくのけぞった。
「がああっ!」
「これで、おしまい!」
駄目押しの一発。それも見事に命中し、雨の街に刹那の花火が咲いた。
「やった?」
「逃げられたケヨ。羊さんのお肉、食べたかったケヨ~」
「食べる気だったんだ……」
合体が解け、恨めしそうなクマデと、安堵と苦笑の入り混じった笑顔を見せる志穂が残された。
「これで桜子さん、元通りに……」
志穂は一縷の希望を抱きながら、足早に桜子の元に向かった。
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