白骨

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あれから2年。 今日警察官に追われた出来事が、不穏の前触れのようで息苦しい。 月明かりを受け、銀輪がキラキラ揺れて凛子の乗った車椅子が近づいて来る。 佳子の車で2人のマンションに帰ると、暗い部屋で、まんじりともせず、佳子を待っていた凛子の気配が伝わってくる。 「2人一緒だったのね。よかった。」 「灯りぐらい点けろ。危ないだろう。」 「ごめんなさい。」 「変わったことはないな。」 「さっき、不審な人を見かけなかったか、って、刑事さんが来たわ。」 そういって凛子が差し出してたのは、警部補の肩書きを付けた龍也の名刺だった。 なぜここに龍也が来た? 何か掴まれているのか? いや、そんなはずはない。 奴らの挑発に乗るな。 ガシャン ガラスが砕ける音が部屋に響く。 キッチンでショットグラスを落とした佳子が、テレビに映し出された男の写真に釘付けになっている。 佳子の視線の先をゆっくり追った凛子が、体をビクンと震わせる。 先週、秩父山中で発見された白骨死体は、東京都足立区在住の元暴力団組員、上村 茂さん、当時35歳と確認されました。 上村さんは数年前から行方が判らなくなっており、近親者が行方不明届けを警察に提出していました。 遺体は特に顔の損傷が著しく、警察は死体遺棄事件として捜査を開始しました 俺は無言でテレビを消した。
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