欄干

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「煙草が吸いたい。」 「俺のをやるさ。最後の1本だぜ。落とすなよ。」 刑務所の先の歩道橋を上がり、煙草に火を点けた。 スラックスの後ろポケットに入れたペティナイフが、尻の辺りでさわりと動く。 もたれかかっている欄干の少し先で、凛子が静かに立っている。
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